桂林到着これは悲劇の始まりなのか?
朝早く桂林に着いた、7時ごろだったと思う。
火車のコンパートメントで一緒だった中国人が、ホテルを紹介してくれると言うのでついて行くと、高級ホテルに連れていかれた。
ホテルに入る前に、こんな高いホテルは泊まれない、安いホテルを探していると言うと
日本人は金持ちだから、ここに泊まった方がいいと言う。
やんわりと断り、案内のお礼を言って別れようとすると、チップと言われ
「ブルータスお前もか」中国に来て、もうこの言葉を何度となく吐きそうになったか。
お礼だけ言って、自分たちで探すからと話すと、一緒に付いてくる、お金は渡せないと言ってあるので、理解はしていると思う。
「人の優しさがお金に変わるのか」
学生のキクイ君が少しウンザリしながら嘆いた。
中国を旅行していると、こんなことはよくある話だからと
慰めの言葉を言って彼の肩を叩いた。
ガイドブックに隠山飯店が近くて安いと載っていたので、そこにチックイン。
ここで、中国人は帰っていった。
フロントで手続きをしていると、ロビーに少し派手な服を着た女がこっちを見ている。
瞬間にヤバいホテルだな、多分夜の商売の人がいる宿かもしれないと思った。
北京、上海と中央から離れている都市だから、そういう事もあると旅人の話しで聞いた事があったので、勝手に思い込んでしまった。
部屋に荷物を降ろして、ロビーに降りると曰く付きの女が話しかけてきた。
「来たか」と思った。
流暢な日本語を話すので、こいつベテランだな、一応システムだけ聞いとくか^^
最初は当たり障りのない、簡単な質問を投げかけてきた。
どこから、学生なのかなど。
私たちは川下りの船に乗りに来たと伝えると、
「私は今から乗るけど一緒に乗らないか」と誘いの言葉。
値段は420元かなり高いけど、もうすぐ船が出るからと急かされ、乗る事に。
それにしても、段取りが上手すぎるので、
どんどんと彼女のペースに引きずり込まれる。
3人で船に乗って、川下りスタート。
山水画を見てるようで、とても素晴らしい景色だ。
彼女に騙されない様に警戒しながら話していると、どうやら勘違い
プロの人ではなくて、本物の日本人ツーリストだった。
彼女のファッションが余りにも奇抜過ぎて、プロの人と思っていた。
彼女は帰国子女で少し変わっていて、人懐っこいところは
そういう土台があったからかもしれない。
川下りが終点に着き、船を降りると迎えのバスがいない。
どこを探してもバスを見つける事が出来なくて、しかたなく乗り合いバスで市内に戻る事に、バス代5元。
乗り合いバスは空いていて、3人で和気あいあいと話して帰った。
バスを探して時間を取られたので、桂林市内到着が夕方になった。
ちょっとしたアクシデントのおかげ?
素敵な夕焼けが私達を出迎えてくれた。
こういう出来事がロマンスを生み出すのだろうか?
ホテルに到着後、3人で夕食の約束をして別れた。
と言っても、同じホテルなので、ロビー集合となりそれぞれの部屋に戻っただけ。
18時ホテルからすぐ側の中華レストランで、食事をした。
彼女は東京で税理士をしていて、海外旅行が趣味で仕事の閑散期に、
長期でよく海外に行くと、言っていた、今回は年末の小旅行だと。
明日の飛行機で上海に行き、翌日日本に帰国予定だと。
この旅で一番楽しくお酒を飲んだ、3人とも大いに酔っぱらって
ホテルに戻り、彼女の無事帰国を願いそれぞれの部屋に帰った。