長距離列車の旅
中国は広い、本当に広い。
列車に乗って2日目、昼間は景色を眺めたり、
本を読んだり
学生の彼と将来の夢などを語り合った。
学生はキクイヒロシと名乗った。
広島大学を休学してる彼は、やはり頭が良かった。
中国語、英語を流暢に話すので、私にとって最高の旅友達である。
キクイ君と話すと、時間があっと言う間に過ぎる。
しかし、彼は真面目人間なので、夜は早めに就寝する
彼はお酒はあまり好きではないとの事で
遊び人の私は夜が退屈、停車駅で荒縄で縛ったビール2本(ビールの首元を上手に縛ってある)を買ったのを思い出した。
夜コンパートメントを出て通路に出ると、
外を眺められるように、折り畳みの椅子が設置されてた。
荒縄で縛ったぬるいビールを飲もうとすると、
栓抜きが無い、な~にやっちまったな
瓶の栓をなんとか取りたくて試行錯誤していると
列車の服務員さんが見回りなのか、私の前を通り過ぎ
様子を見ていたのか、瓶をよこせとゼスチャーするので
瓶を渡すと、おもむろに瓶を口に当て歯で
栓を簡単に開けてしまった。
謝謝と感謝の言葉を口にして、一杯どうですかと
ビールを差し出すと、流石に胸のバッチを示して断ってきました。
真面目な服務員さん本当にありがとう。
漸くビールに有りつけたので、口にすると
なんと美味しい事、ぬるいのに美味しかった、
いや美味しいと言いたかったのだろう
(当時冷蔵庫はまだあまり普及していなかった)
広大な中国で、ポツリポツリと明かりが見える
車窓からみる風景はタイムマシンに乗った気分だ。
現代から過去へ、時代を遡っている夢のような時間
これは酔い過ぎたかな。
明日は桂林だ。